なんせ広い敷地だ。
玄関にふたりが現れるまで数分かかり、階段の上でひとり待つ僕には、それが余計に長く感じた。
「よー、タツミ」
「おぅ」
苦手意識からか、すぐに視線を外す。
3人の中で最後に、僕が彩矢香の部屋へ入ろうとしたその時、中にいる玄は反転して、
「サヤとふたりで話したいんや。ええやろ?」
そう言った。
「なんで?」
「言わなあかんの? サヤはお前の所有物ちゃうやろ?」
「まぁ……そうだけど」
「そやんな。じゃ」
——バタンッ!
「……ッチ」
面と向かうと、さらにムカつく奴だ。
発作的に、殺意に似た熱情が湧く。
蚊帳の外にされた僕は、ふとあいつのことが気になって、ドアを叩いた。
「聖矢。いないのかー」
返事はない。下にもいないようだし、もしや外に出られるようになったのか。
「入るぞー」
——ガチャ。
「……おいおい」
聖矢は、太陽がまだ沈んだばかりにも関わらず、顔の半分まで布団を被り、スヤスヤと眠っていた。
「コイツ……かわいいな」
癒される表情に、邪気のほとぼりが冷める。
しばしの間その無垢な顔を眺めて、起こさないよう静かにドアを閉めた。



