ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】



若干の孤独はすぐに解消した。

前方から、彩矢香が胸を揺らして走ってくる。

——バタンッ!

「ハァ……ハァ……」

「どうだった⁉」

すぐにドライブへシフトし、急発進。

「なぁ⁈」

「成功! ン゛ッ、大成功!!」

その言葉を聞き、しばらく彼女の息が整うのをハラハラして待つ。

と!

「ッ⁉ なんで⁈」

見えた。僕には見えた。

運転席の窓の向こう。一瞬で通り過ぎた景色の中に、アイツがいた。

「ゲン太だ!」

「え?」

「ゲン太がいた!!」

「ウソ……いるわけないじゃん! ここ、静岡だよ」

そう。静岡だろうが東京だろうが、姿を見るなんて偶然の域を超えている。

でも、たしかに玄だった。

「戻って!」

「イヤだ! 早くここから遠くに行きたい!」

彩矢香は不法侵入という罪を犯したばかり。

当然の心理だとその気持ちを汲み、僕はやむなく諦める。

「そういうことか!」

もし見間違いではないのなら、1つの説が成り立つ。

彩矢香の車に携帯を仕込んだのは玄。

斎藤に渡した後も尾行し、僕らが純清学園の近くにいることも知っていた。

しかし、彩矢香の行動に疑問を感じ、僕に電話をかけてきた。というわけ。

偶然なんかじゃない。電話も、静岡にいることも。