「キミは知っているんじゃないのか? あの人とこの事件の繋がりを」
「…………」
「大橋敬太というのは何者なんだ⁉」
「…………」
これからのことを踏まえれば、話すほうが得なのは明らか。
でも、宇治木や沙奈や、彼らの忌まわしい過去を勝手に暴露するのは気が引けた。
「そうか……よく分かったよ。行くぞ、斎藤!」
「は、はい」
「ぁあの! これからどこに? 大貫の実家ですか⁈」
僕の問いかけに、斎藤は口を開きかけたが、浜田が手で制して止める。
「教えてください! お願いします! 僕も確かめたいことがあるんです!」
車に乗り込もうとするふたりの背中に懇願しても、時すでに遅し。
——バタンッ。
ドアは閉まり、あえなく終了。
「ッチ……」
しかし!
「水嶋くん!」
数秒後、斎藤が再び降りてきた。
期待に胸を膨らませる、僕。
「実は最近、高校の同窓会の招待状が送られてきたんだ。どう思う? 行くべきかな?」
「は? え?」
「……ぁ! こんなことをキミに相談するのはおかしいか。ごめんごめん。じゃ!」
雪に足をとられながら、小走りで戻る斎藤。
僕は開いた口がふさがらないまま、走り去る車を見送った。
「どうだった? 住所、聞けたの?」
車内で待っていた彩矢香は、朗報を待ち望む顔つき。
僕が首を横に振ると、手で目を覆う。
「完全に意味不明だよ。教えてくれるのかと思ったら、同窓会に行くべきか?だって。斎藤さんが空気読めなくてバカだなんて、今まで気付きもしなかった」



