ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】




「祐一郎!」

「ピンちゃん」

日付が変わる前、亀有の駅前で落ち合った。

あんな電話のあとだ、僕には今夜の“鬼”に立ち向かう勇気はない。

ピンちゃんにいてもらわないと困る。

「ピンちゃん、杉山さんを呼び出してくれ。頼むよ」

「……いいけど、さ。ケンカでもしたの?」

「うう~ん、まぁそんなトコ」

携帯で話しはじめた彼は、僕の顔色をうかがいながら指示をあおる。

『そうそう、亀有の__公園です。家から近いんですよね? ……はい、待ってます』

約1時間後、着の身着のままの格好で現れた杉山さん。

公園のベンチから立ちあがって存在を報せると、第一声でこう言った。

「なんだ、お前もいるのかよ」

吐き捨てるようなセリフとともに、唾を吐く。

険悪な雰囲気を一瞬で察し、気弱なピンちゃんはオドオドしていた。

「ね、ねぇ。ふたり、なにがあったの?」

「こんなヤツ、信用しない方がいいぜ」

「……どうして?」

「オレらを呪いから助けてやるーなんて調子いいこと言って呼び出しておきながら、結局、来なかった。楽しんでんだよ、オレらが死んでくのを!」

「そんな……ちがうよね?」

「…………」

僕は返事に窮したフリをして、ふたりをたったひと言で黙らせる言葉を探していた。

「ほら見ろ! 図星なんだよ」

「祐一郎!?」

あきれたような杉山さんの声と、今にも泣きそうなピンちゃん。

ここで正義の味方を気取れば気取るほど、彼らは猜疑心を抱くだろう。

ならば、徹底的にイヤなヤツになってやる。

「行くぞ。時間のムダだ」

ピンちゃんの腕を肘で突く杉山さん。

今にも僕に背中を向けようとする、そのとき。

……よし!

覚悟を決めた。