磨理子が保護されてから33日後……。
懸命の治療も虚しく、最愛の娘はこの世を去ってしまう。
かつてない絶望に苛まれるその渦中で、ふと、鍵のことを思い出した。
敏也が言う、“本当の悪魔”とはどういう意味なのか。
心に開いた穴を埋めるように、食事も摂らず、眠ることもせず、鍵が使われるべき場所を血眼になって探した。
そして、敏也が借りていた銀行の貸金庫にたどり着く。
箱の中には一丁の拳銃と偽造パスポート、黒革の分厚い手帳。
開いて見た瞬間、私は驚愕の雷に打たれた。
日付 氏名 金額
明らかに“なにか”の顧客を示すリスト。
そこには、あるはずのない、あってはならない名が4つも刻まれていた。
私は重要な証拠を隠し持ったまま、急いで妻の元へ向かう。
本人に確認しなければならない。
どうして、敏也の手帳に名前が刻まれているのかを。
しかし、帰り着く直前、信頼する同僚からの電話で一変する。
『兵藤、今すぐ逃げろ!』
急を要するその声色。
同僚は、たった3分の中に巨悪な陰謀をぎっしり詰め込んで話す。


