冷愛冷涙-Reiai Reirui-

トリオ漫才を見てる気分。


四人だけど……。


「ど、どうも…」


ヤンキーたちのテンションについていけず、控えめな挨拶をしてみる。


「ヤバイ、超タイプ!白龍の姫にしよーぜ!」


はくりゅう……?


「………お前ら1回帰れ。コイツに何も話してねぇし。てか、コイツは俺らとは住む世界がちげーんだよ。姫にはしない」


冷さんのその言葉を聞いて、胸がチクリと痛んだ。


私は居候にすぎない。


ただ、居候させてもらってるだけで、名前や年齢、性別くらいしかお互い知らない、他人。


私は進学校の生徒だけど冷さんは暴走族の総長。


冷さんの言う通りだ。


「ふーん…。じゃあ俺ら外で待ってるから」


「マンションの外で待っとけよ。家の前に居ると他の住人がビビるから」


「へいへい」


カラフルなヤンキーたちは素直に冷さんに従って玄関の方へと消えた。