女に教えてもらった通り、屋上に来た。


確かに立ち入り禁止のテープが貼ってあるけど、鍵も壊れてるし、誰でも入れるな。


そう思いながら屋上へ続く重いドアを開けると、パジャマを着たままの女が一人、屋上の縁に立っていた。


「愛!」


よく見ると、外側ギリギリに立ってる愛。


屋上には柵はなく、愛が立ってる足場は細い。


1歩間違えれば地面に転落だ。


「れ……い…」


「何してんだよ!」


ただ景色を見てただけ、なんて状況じゃない。


自殺……?


そう思った瞬間、俺は愛の腕を掴んでいた。


「こっち戻ってこい」