「これ、愛ちゃんが1回目に倒れた後に預けられたんだけど、渡すの遅くなっちゃった」


この指輪とネックレスは父さんか母さんに渡したやつだ。


メモにこう書いてあるってことは、最後まで隠し通すつもりだったのかもしれない。


俺が荒れて見舞に来なくなったりしなければ、愛は何も知らないままでいれたのかもな…。


ホント情けねぇ男だな、俺……。


「……ありがとうございました。じゃあ俺はこれで」


小さく頭を下げて愛の病室に向かう。