「…別に怒ってねぇからさ。それで頼みって?」


大和はこんな情けない俺の肩をポンっと叩いて許してくれた。


「車貸してほしい」


「車?バイクあるだろ?」


「愛が……愛が危ねぇんだよ」


その説明が精一杯だった。


「貸すけど、交換条件つきな?」


「え?」


「お前が荒れてたとき、何があったのか教えろ。じゃないと貸さない」


話せば楽になるっつってずっと言ってくれてた大和。


交換条件の内容まで俺のためのもの。


「ありがとな」


「何言ってんだよ。俺ら友達だろ。礼なんかいらねぇから、さっさと行けよ。急いでんだろ?」


大和………。