病院を経由して愛のお母さんから……俺の…母さん…から…連絡が来た。


〝愛が外出したまま帰ってこない。何か知らないか〟


と。


〝知らない〟って答えたけど、何となく引っ掛かってることはあった。


絵莉花の様子が変だってこと。


絵莉花を問いつめても、しらばっくれるだけ。


だけど、どう考えても態度がおかしかったから、しつこく食い下がってると、ついに吐いた。


舞蝶のヤツらに愛を襲わせてるということを。


それと、その場所も。


その頃にはもう真っ暗になってて、大雨が降っていた。


愛の身が危険だ。


……いや。


もう、襲われてるかもしれない。


この時間だし、母さんに聞けば、外出したのは5時半ごろから。


とりあえず、家にあるロングコートを手に取り、大和の家へ向かった。


ロングコートを持っていくのは、愛がどんな状況にあるのか想像がつくから。


それなのに、コート持っていってやることしかできない自分が情けない。


俺は一体何がしたかったんだ…。


愛を傷つけただけじゃねぇかよ…。