冷愛冷涙-Reiai Reirui-

彼は、私に近づいてきた。


「来ないで……」


声が震えてる。


「来ないで…!!」


ザァァザァァザァァ……


大粒の雨が私たちの間に降る。


「愛……ごめんな…ごめんな……」


冷は、私の言葉を無視して私を抱きしめようとした。


「触らないでっ!!!」


反射的に冷の手を払い除ける。


「愛…」


行き場を無くした冷の手が、震えていた。


「裏切り者……っっ」