冷が部屋に戻ってきたのは、私が部屋に戻ってきてから十数分後だった。


ちゃんと話してきたのかな…?


さっきは、冷の異様なオーラに動揺して、泣きながら冷を説得してたけど、今思えば人様の家庭の事情に勝手に口挟んで、迷惑だったよね…。


「冷、ごめんね……?口挟んだりして…。冷の家庭の事情なのに……」


冷がさっき、早く離れろって言ったのは、私が迷惑だと思ってたからだよね……。


「ごめん…。冷のオーラが怖くて、気が動転してた…。ごめんね…?」


もしかしたら、〝俺を殴りたかったら殴れ〟みたいなことをお父さんから言われてたのかもしれない。


だったら私、迷惑な女だね…。


「何で謝んだよ。俺はお前に感謝してるから。泣きそうな顔すんなよ」


ベッドにもたれかかるように座る私の隣に座って、冷が優しいトーンで言ってくれた。


「でも……。お父さんは迷惑だって思ってたんじゃないの…?」


他人に口挟まれて。


「あー…。お前と別れろって言われた」