愛の足音が遠ざかったのを確認してから、俺はクズを見下ろしながら口を開いた。


「2度と俺に関わるな。お前らと暮らす気もねぇから。もうお前は父親じゃねぇ」


何を言われようと、それは変わらない。


こんなヤツ、父親じゃない。


俺の知ってる、昔の好きだった父親は、こんなヤツじゃなかったんだから。


「……今の子は彼女か…?」


「だったら何だよ。お前には関係ない」


「………。彼女とは別れなさい」


は?


「何でてめぇに指図されねーといけないんだよ。放っとけ。じゃーな。俺はもうこの先お前らとは関わんねぇからな」


まだ何か言いたそうなクズを放って、部屋を後にする。


何が別れろだ。


頭おかしいんじゃねぇの。


俺らがそう簡単に別れるわけねぇだろ。