パシャっ


軽快な音と共に、私たちの旅行がスタートした。


ビュンビュン移り変わっていく窓の外の景色。


「冷、ホントに大丈夫?」


お父さんと穂純さんのこと。


まだ、吹っ切れてないはずだよね…?


私に過去を教えてくれたときも、苦しそうだった…。


「俺の心配はしなくていーから。お前こそ体調悪くねぇだろーな」


優しさの裏返しなのか、鋭い視線を送ってくる。


だからドキッとしてしまう。


そんなに良いわけではないから。


「…大丈夫」


「俺には嘘つくなよ?」


少し強引な物言いも、その時の優しい視線も、全てが愛おしい。


一生一緒にいたい。


一緒にいたいよ…。