冷愛冷涙-Reiai Reirui-

「並びたくない?」


私がそう聞くと、冷は無愛想に〝別に〟と答えた。


「そう?じゃあ並ぼ!」


いくら暑くても冷と一緒なら我慢できる。


「はいはい」


一直線に行列に加わりに行った私の後を、冷はゆっくり追いかけてきた。


「ここ、遊園地で会った悠里のオススメの場所なの」


「ふーん」


やっぱり、女子だらけだから嫌なのかな。


「ごめん、嫌だった?」


デートはお互いが楽しくないと意味ないんだから。


「んなわけねぇだろ。嫌だったら初めから拒否ってる」


…だよね。


冷はズバッて言う性格だし。


「んふふ」


しみじみ冷を好きになって良かったって思う。


お互いが遠慮する必要がない関係性だから。


「何だよ、気持ちわりぃな」


「なんでもない」


そんなこと考えてたなんて恥ずかしくて言えない。