「だから忘れろ」


忘れろって言われて忘れれる事じゃないよね…?


「忘れられない…」


私が呟くと、何の前触れもなく、唇が重なり合った。


観覧車の中とは違って、長く、深いキス。


心配事が全て飛んでいって、頭は冷一色に染まる。


「ん……っ」


だんだん苦しくなってきて、唇を離そうとすると、手で引き寄せられて、逃げれない。


でも、幸せだった。


冷の色に染まった頭。


記憶。


嫌なことはもう、頭に残ってなかった。


心配事も。


何もかも。