ガチャ


「あ…。愛ちゃん。早いな」


一瞬焦ったような表情をした大和。


聞かれたのか心配してるんだろーな…。


聞かなかったことにしよう。


「ポーチ忘れちゃって」


何事もなかったかのように笑ってカバンからポーチを出す。


チラッと冷を見たけど、やっぱり表情は変わってなかった。


私は、ポーチを手に、トイレに逃げ込んだ。


「はぁ…」


このまま隠し通そうか。


それとも…。


やっぱり言うべきかな。


私が死んでから知るより、本人の口から知る方が…いいよね。


「……よし」