あっ!


ポーチ忘れた。


トイレ来たのにポーチ忘れたら意味ない。


早く駅前行きたいから、急ぎ足で部屋にポーチを取りに行く。


そして、部屋のドアノブに手をかけた時。


聞こえてきた。


「愛ちゃんって病気かなんか?」


という大和の声が。


大和に…バレた……?


私は、音を立てないようにして、ドアノブから手を離す。


心臓が嫌な音を立てて暴れてる。


それから、冷が誤魔化してくれてるのも聞こえてきた。


結局、大和は冷の話を信じたみたいだけど、真や湊斗がどう思ってるのかは分からない。


隠すのには、もう無理があるかな。