愛がトイレに行くために部屋を出てから、大和が口を開いた。


「愛ちゃんって病気かなんか?」


と。


俺は基本感情が顔に出ないタイプだけど、ずっと一緒にいるこいつらには、そんなこと関係ない。


「……やっぱそうなのかよ」


動揺が伝わったのかもしれない。


「何でそう思うわけ?」


愛が隠したいと思ってるなら俺はそれに付き合う。


「今日デートなんだろ?なのにわざわざ俺の車で行ってるし」


「遊園地は遠いからな。なるべく交通費浮かすために」


平然と嘘をつく。


「タバコもさ。俺が吸うの止めたことなかったのに今日止めたろ」


「愛が病気だろうとそうじゃなかろうと、愛がいたら止めるに決まってんだろ」