冷愛冷涙-Reiai Reirui-

「いいよ」


私が絵本を開こうとしたら、


「詩ね、退院できるのことになったの!またすぐに戻ってこないとだめなんだけどね!」


詩ちゃんが嬉しそうに話してくれた。


「そうなんだ!よかったじゃん!」


一番の笑顔で話す詩ちゃんを見ると、私まで嬉しくなる。


詩ちゃんは、〝おおきくなったら〟っていう絵本を何度も何度も繰り返し読んでる。


おおきくなったらお花屋さんになりたいな、おおきくなったらケーキ屋さんになりたいな、そんな内容が数ページに渡って書いてある絵本。


詩ちゃんに、〝おおきくなったら何になりたいの?〟って聞いたら、〝ない〟って言われたんだ。


幼いながらに、先が長くないことはわかってるのかもしれない。


だからこそ、外出許可が嬉しいんだろうな。