冷愛冷涙-Reiai Reirui-


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病院を出て一番に向かったのは、昨日までいた暖かい家。


合カギは返しているから、インターフォンを押す。


たぶん、合カギを持っててもそうしたと思うけど。


『はい』


昨日まで聞いていた声なのに、何日も聞いてない声のように懐かしく感じた。


「松永です」


名乗ってからすぐ、玄関のドアが開いた。


「何か忘れ物?」


忘れ物。


ある意味そうかもね。


お世話になった冷に。


伝えなきゃいけないことがあるのに。


言わずに家を出ていったから。


今からちゃんと言うんだ。


もう、逃げない。


勇気だすんだ。


近藤先生も言ってた。


隠し事されてる側が辛いって。