**

「治療……?」


近藤先生を訪ねて、〝少し話したい〟と言ったら、快く〝いいよ〟と答えてくれたので、今は近藤先生の診察室で近藤先生とお話し中。


「はい…。治療、受けないつもりだったんです…。でも……」


悠里や冷、お母さんを悲しませないためにも、私は生きる義務がある。


悠里たちを悲しませたまま死ねない…。


死にたくない…。


なんで、そのことに気づかなかったんだろう。


「あのね、愛ちゃん。病気だって宣告した日からだいたい1ヶ月経つわ。その1ヶ月の間、愛ちゃんはどう過ごした?」


「どうって……?」


近藤先生の口調に、少しドキリとした。


「例えば体育」


「………」


私は、病気という事実を無視して体育を受けていた。


「見学してないんじゃないの?普通に受けてたんじゃないの?」


「……はい」


過去の自分を責めても意味がないことはわかってる。


それでも、責めずにはいられなかった。