ホントは大丈夫じゃない…。


でも、本当のことを言う勇気がない。


だから、一人で悩むしかないんだ。


「それも俺と同じ。全然大丈夫じゃぇくせに強がんなよ。強がっててもいいことねぇよ。自分が経験したからわかる。俺の言うこと聞いとけ」


上から目線の俺様発言なのに、どこか優しくて、温かかった。


初めて会ったときの、冷たそうな印象はキレイさっぱり消えていた。


こんなに温かい人なんだ。


だから、真や大和、湊斗が慕うのかな。


でも。


「……話したくない…」


言えないよ……。


「俺ん家来てすぐの頃、お前、リビングで泣いてただろ?」

………。


「そのとき、〝コイツ自殺でもすんじゃねーか〟〝消えちゃうんじゃねーか〟って、本気で思った。1ヶ月も一緒にいねぇけどさ、俺、お前には居なくなってほしくねぇから」