どのくらい冷に抱きしめられていただろう。
涙は枯れ、ようやく落ち着いてきた。
「冷…ごめん」
涙で服を濡らしちゃってごめん。
なのか。
嘘ついててごめん。
なのか。
自分でもわかんない。
「……人に相談すれば楽になることって、あるから」
冷は静かにそう言った。
私の心を落ち着かせるかのように。
「冷は……?冷も…何か抱えてるんでしょ……?」
私がそう聞くと、冷はゆっくり私から離れて、近くのイスに座った。
「俺は別にいいから。俺はお前が心配なんだよ」
冷……。
「心配してくれてありがと……。でも、大丈夫だから…」



