「朝飯を持ってきたよ。食べよう」
草の上に座って、パンと野菜と肉を広げて3人で食べる。
「乗馬をたしなむ、と言うより、まるで騎馬だな」
王の言葉に、王太子が笑った。
「妹と馬で走るって、面白いんだな」
「馬は、優しいですから………」
「そうかもしれないな。ダリアン、剣の相手になってみたらどうだ?」
と王が私と王太子に木刀を渡した。
手加減無しだからな、と王太子が構えたので、木刀を持って走った。
カンカン、と乾いた音で木刀がぶつかる。
力では負けるので、私は弾いていくが、さすがにトドメの一撃は出来ずにいた。
「そこまで」
王の声で数歩下がると、王太子も下がって剣をおろした。
「ハハハ…………ダリアンの負けじゃな。相手はまだ剣を構えておる」
「…………本当だ」
王女となってから、初めて大笑いをした。
「俺の負けだな。アリア、お前なら、幸せになれるだろう」
「楽しかったですわ。ありがとうございました」
しばらく、剣や馬の話をして、王宮へ戻った。

