身代わりの姫




王の部屋をノックすると、ドアが開き、そこにいた、王の側近と入れ替わって部屋に入った。


広いリビングになっていて、テーブルに座るよう促されて座った。


「リリアとしての生活はどうだ?」

「暇です」

そう答えると、王が大きく笑った。


「何をしたい?」

「馬に乗ったり、剣も振りたいし、友達と喋りたいです」


真顔で言うと


「明後日の朝、一緒に馬で、裏の森に行こうか。
リリアはそんなことはしないから、女兵士になりきりなさい」


その言葉に驚きながら、心の中では、楽しみになった。


「ありがとうございます」

「ここに来てもらったのは、言わなくてはならないことがあってな。


……明日、婚約を、発表する」


「バルテモン国王子と、ですか?」


「………来月には、結婚式をあげる。


お前の人生を振り回してしまうな。

国のためでもある。



それでも、王子は…………お前を愛するだろう。


少しでもいい。幸せになってほしい。


嫁ぐにあたって、何も任務はない」


本当は、暗殺してほしいのかもしれない。



思っていた事を、聞いてみようと思った。