身代わりの姫



ノックされてカチャ、とドアが開けられた音に顔を向けなかった。


「行きましょう」


後ろからかけられたその声に、ため息を一つついて、目を閉じて、立ち上がった。



王女としての人生が始まった。




目を開けて、もう一度、森を見て、マアサの方を向いた。