どのくらいの時間が経ったのか、背中を優しく擦る手を感じて、顔を上げた。 「リリア様は、覚悟を決めておられたようで、今日は王女付きの侍女は全員休暇です。 今晩からリリア様の部屋で寝られますか?」 マアサが泣いたことが分かる顔で、聞いてきた。 「いえ、下の自室で……」 「分かりました。明日からはリリア様ですから………お分かりですね?」 目を閉じて、頷いた。