「まあ、とにかく、お元気で良かったです」
ガストンがお茶を一口飲んで言った。
「リリア様が行方不明となって、探していても、海沿いには瓦礫が多くて、人探しは容易ではありませんでした。
あなたの行方不明はトップシークレットなので、大々的に人足を使うわけにも行かず、戦争の後片付けもしなければならなかったですし。
シュリベルトとの話し合いに行ったり、王太子も疲れてイライラするし、まあ、大変でしたよ。
あちこちの病院を慰問しながら、サリ、という名前を聞いたときには頼むから本人であってくれと願いました。
あの病院で化粧もしてない、庶民の服を着ていても全員があなただと分かった時、やっと見つけたと安堵しました」
私を見たり、視線を落としたり、少し思い出すような素振りを交えてガストンが語るのを聞いていた。

