お茶を淹れると、恐縮しながら飲んでいたガストンに聞いた。
「何のご用かしら?」
「3日後、王太子のところに戻られると伺っていますが?」
「ええ、そうね」
何か問題があるのか?
「王太子に迎えに来るな、と伝えたことで、王太子がまず怒り、落胆し、そしてやっとどうすれば良いのか考えてくれるようになりまして………」
はぁ…………、と目を見合わせて吹き出した。
「まあ、それは……なんだかごめんなさいね」
ジルは八つ当たりしたのだろう。
「私はあの旅芸人集団に紛れて着いてきました。
彼等と王太子の迎えの場所まで一緒に行っていただきます。もちろん私も一緒です。
それで納得できないなら、自分で迎えに行くとおっしゃるので、リリア様はそれはお望みでないでしょうから、と説得しました。
ですので、ついでという感じでご同行ください」
まぁ、一人で城に戻ることも覚悟していたけど、途中でジルと合流することで納得するしかないのだろう。
「分かりました。よろしくお願いします」
そう言うと、ホッとした様子のガストンだった。

