着替えて厩舎へ行くと、夜勤の兵士がいて、驚かれた。
「おはよう、リリーと、散歩してきます、かまわないかしら?」
「おはようございます、妃殿下、リリーは大丈夫です」
リリーを出してくれて、手綱を受け取る。
外に出て、リリーに跨り、思い切り走りだす。
前に来た小川より少し上流まで来ると馬を降りて座れそうな場所までリリーを、引いて歩いた。
小さい岩があるところで、座ると、リリーも小川の水を飲み始めた。
お兄様、連れて帰ってよ、私をアリアに戻してよ。
でも、アリアは死んだ………
私は………。
涙が、一粒流れ落ちた。

