身代わりの姫



コゼットがお茶を乗せた盆を持って戻ってきた。


「この国はどう?」

「本当に皆さん気さくな方なんです。
兵士の友達もできましたわ。

ただ、国民が、おおらかで………ジルベール王子の祖父の先代の国王は10人も側室がいて、行事の度に連れているお妃が、違ったとか……驚きました」


「まあ………それは、すごいわね」



「ジルベール王子もおおらかを通り過ぎて豪快な方と聞きました。
剣も弓もかなりの使い手とか。

豪快な分、裏切り者には容赦ないとのこと。

先日のシュリベルトへの攻撃の発端となった者はこの国でつかまって、処刑されたそうです」


「そう」


処刑されたのか。
それは、仕方ないことなのだろう。
そのことがあって、友好条約が結ばれたのだろう。


「明日は休暇を頂いています。

街中を見てこようと思ってます。


明日はボンがリリア様に付きますわ。
かなり面白い子です。呼びましょうか?」


「あなたが面白いと言うならちょっと会ってみたいわ」

「お待ち下さい」

サッと部屋を出ていった。