「あの人たちが薬草茶を飲んだときの表情は見ものでしたね。それにしても、お嬢様の計画があれほど上手くいくのは、見ていて少々気持ちよかったです」


「そうね。わたしも正直ちゃんと上手くいくのかどうかは自信がなかったのだけど、皆の協力のおかげだわ」



 アリシアのことを陥れようとしてきたサラたちへの復讐。とはいえ、単に苦い薬草茶を飲ませただけでは、ただの個人的な嫌がらせだ。

 自分たちの行いを反省させ、二度と同じようなことを考えないようにさせる。

 そのためには、権力者たちの前でその行いを認めさせ、今後勝手な行動をしないよう見張ってもらうことが必要だ。


 アリシアのことを彼らがでっち上げた「罪」で糾弾させ、それが虚偽であることを示せば、さらに打撃を与えられるはずだ。そう助言をくれたのはイルヴィスだった。

 アリシアもそれには納得したのだが、問題はそのような場をどうやって設けるかだった。

 人を多く集めることについてはイルヴィスにお茶会を開催してもらうことで解決した。ただ、あまりに突然の開催だったのと、王宮行事ではなくイルヴィス個人によるイベントという形だったため、参加を見送る者も多いと予想された。

 極力人数は集めたいし、肝心のサラに参加を見送られたりしたら意味が無い。