ニーナはこくんとうなずく。

 それを見て、アリシアは手を額に当て、ふっと息を吐いた。



「ニーナさん。貴女はローラン家の人たちに一つ騙されているわ」


「え?」


「あのね、これはイルヴィス殿下から聞いた話だから間違いはないのだけど……」



 アリシアは彼女にある「真実」を告げた。


 ニーナがこのような行動をした意味を否定するそれは、考え方によっては少し残酷かもしれない。



「嘘……」



 話を聞いたニーナは、信じられないという顔を向けてくる。

 だが、アリシアの表情から嘘を言っていないのだと察すると、大きくため息をつきながらしゃがみ込んだ。



「何それ……じゃああたし、馬鹿みたい」


「悔しい?」


「……はい」



 アリシアも、ニーナと同じようにしゃがみ込み、彼女と視線を合わせ、ニヤリと笑った。



「なら少し、仕返ししない?」