□冬哉side■




嗚呼、この世は、何て退屈なんだろう。


「柏原(かしわばら)くん!じゃあね!」


「うん、またね」


廊下を歩けば、女の子達は、当たり前のように挨拶をしてくる。


僕がそれに微笑んで返せば、


「じゃあね!」「バイバイ!」


と、便乗して、挨拶してくる人が増える。


そういうとき、身分のある俺達は、微笑んでいるだけで良い。


顔が良いと、人が寄ってくる。


頭が良いと、人が寄ってくる。


運動が出来ると、人が寄ってきて、


優しくしていると、人が寄ってくる。


昔から、こんな人生。


ありきたりすぎて、つまらない。