当たり前か。


付き合っている頃から、何度も言われてきた『体を大切にしろ』と、いう、言葉。


偶然に怪我したのならともかく、握りしめたせいだからなぁ……


つい、カッとなって、やり過ぎたと、今では反省。


でも……


『ほーう?』


それ以上に、離婚届にご立腹のご様子。


『……覚悟しろよ』


それが何に対する言葉かなんて、聞く間も無く。


『ちょっと、待てー!!』


翻弄されまくり、気がつけば、夜は明けて。


それを何度、繰り返したであろう。


ぼんやりとした意識のなかで、


『声、我慢するな。……心も、体も、奪ってるって実感させろよ』


『無防備なお前を前にして、いつまでも我慢できるほど、俺はできた大人じゃないんだよ』


と、言われた気がする。


と、いうか、絶対に言われた。


どうよ、この少女漫画の王子さま顔負けの台詞。


顔良し、頭良し、家柄良しのこいつは、羞恥心もなく……こっちがおかしくなりそうである。


だから、思いきって、合間に聞いてみた。


『何で、こんなことを言うのか』って。


すると、


『お前のことが大事だから?』


と、返され、なにも言えなくなった私は、なんて弱い。