『12月8日 気付けばもう12月だ。 授業中 ぼんやりと窓の外を見ると、 前庭の木蓮の樹が北風に吹かれて なにかが崩れ落ちるみたいに 次々と大きな葉を落としていく。 リョウくんの左手首には いつもあの茶色のシュシュ。 あたしはそんな彼を見るのがつらくて 窓の外の観察ばかりする』