『了解』
電話を切った後、慌てて電車に乗り込んだ私は昨日の圭吾さんの様子を思い返した。
帰ろうとした私を憮然とした顔で見下ろしていて……確か十分後には外出だって秘書の黒須さんは言っていた。
てことは、出先から輸入雑貨担当の中西さんに指示を出して、峰岸グループの本社ビルまで私がお借りする予定の雑貨を運んでくれたのかな。
……思ってもみなかったそのサプライズに何だか少し感動する。
帰ったらきちんとお礼を言わなきゃ。
電車から降りて地上を目指しながら、私は圭吾さんの冷たい顔を思い浮かべた。
*****
モデルハウス用の小物を積み込んだ後は、ウェブデザイン課と建築カメラマンとの打ち合わせが待っている。
「室内のこの部分、不自然にならないように少し影を薄くしてもらえますか?あ、外観の電線処理はいつも通りお任せします」
「了解。外観編集は後になるけど今日中に室内の画像は送信するから」
「よろしくお願いします」
いつもお世話になっている建築カメラマンの岩橋さんに頭を下げて見送ると、私は背伸びをして思いきり息をはいた。
「さあ、これからが私たちの本業よ。頑張りましょ」
成瀬さんの声に皆が頷く。
これから、AからFの6プランをウェブデザイン課の皆が手分けして仕上げていくのだ。
ウェブデザインの良し悪しは、インターネットからの集客数を左右するといっても過言ではなく、ミーティングを重ねる度に緊張感が増していく。
「良いものを作りましょう!」
「はい!」
私はデスクに戻ると、下描きのデザイン画に視線を落とした。
電話を切った後、慌てて電車に乗り込んだ私は昨日の圭吾さんの様子を思い返した。
帰ろうとした私を憮然とした顔で見下ろしていて……確か十分後には外出だって秘書の黒須さんは言っていた。
てことは、出先から輸入雑貨担当の中西さんに指示を出して、峰岸グループの本社ビルまで私がお借りする予定の雑貨を運んでくれたのかな。
……思ってもみなかったそのサプライズに何だか少し感動する。
帰ったらきちんとお礼を言わなきゃ。
電車から降りて地上を目指しながら、私は圭吾さんの冷たい顔を思い浮かべた。
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モデルハウス用の小物を積み込んだ後は、ウェブデザイン課と建築カメラマンとの打ち合わせが待っている。
「室内のこの部分、不自然にならないように少し影を薄くしてもらえますか?あ、外観の電線処理はいつも通りお任せします」
「了解。外観編集は後になるけど今日中に室内の画像は送信するから」
「よろしくお願いします」
いつもお世話になっている建築カメラマンの岩橋さんに頭を下げて見送ると、私は背伸びをして思いきり息をはいた。
「さあ、これからが私たちの本業よ。頑張りましょ」
成瀬さんの声に皆が頷く。
これから、AからFの6プランをウェブデザイン課の皆が手分けして仕上げていくのだ。
ウェブデザインの良し悪しは、インターネットからの集客数を左右するといっても過言ではなく、ミーティングを重ねる度に緊張感が増していく。
「良いものを作りましょう!」
「はい!」
私はデスクに戻ると、下描きのデザイン画に視線を落とした。


