『ありがとな、彩。また明日な』
ふわふわ、と胸がこそばい。
凌央さんとの会話を頭の中で再現すると、自然と口元がほころぶ。
*
『アキがワイン好きなんだ。で、毎年ヴォージョレーを置いていくんだが、俺は正直ワインよりハイボール派なんだ』
『あ、じゃあハイボールに変えましょう!私も飲みたいです』
『じゃあ、今度こそマドラー使うから出してくれ』
『あはははは!硝子棒の件はアキさんには言わないで下さいよ?!』
『何でだよ。硝子棒をマドラーと間違えるなんて画に携わる人間の中には皆無だからこの話、かなり喜ぶぞアイツ』
『ダメです!』
*
ああ、楽しかったなあ。
幸せの余韻に浸りながら、水を飲もうとキッチンへ向かう。
ついでに、圭吾さんにオヤスミを言っておこう。
さっきリビングの方で物音がしたから、きっと帰ってきてるんだと思う。
「……圭吾さん?……」
囁くように声をかけながらリビングのドアを開けると、圭吾さんはソファに座っていた。
……上着を着たまま微動だにしないその姿勢に、彼が眠ってしまっているのを感じる。
「圭吾さん」
もう一度小さく声をかけて正面にまわると、彼は俯き加減でやっぱり目を閉じていた。
ふわふわ、と胸がこそばい。
凌央さんとの会話を頭の中で再現すると、自然と口元がほころぶ。
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『アキがワイン好きなんだ。で、毎年ヴォージョレーを置いていくんだが、俺は正直ワインよりハイボール派なんだ』
『あ、じゃあハイボールに変えましょう!私も飲みたいです』
『じゃあ、今度こそマドラー使うから出してくれ』
『あはははは!硝子棒の件はアキさんには言わないで下さいよ?!』
『何でだよ。硝子棒をマドラーと間違えるなんて画に携わる人間の中には皆無だからこの話、かなり喜ぶぞアイツ』
『ダメです!』
*
ああ、楽しかったなあ。
幸せの余韻に浸りながら、水を飲もうとキッチンへ向かう。
ついでに、圭吾さんにオヤスミを言っておこう。
さっきリビングの方で物音がしたから、きっと帰ってきてるんだと思う。
「……圭吾さん?……」
囁くように声をかけながらリビングのドアを開けると、圭吾さんはソファに座っていた。
……上着を着たまま微動だにしないその姿勢に、彼が眠ってしまっているのを感じる。
「圭吾さん」
もう一度小さく声をかけて正面にまわると、彼は俯き加減でやっぱり目を閉じていた。


