そんな私たちを遠巻きで眺めている人たちがいるだなんて、知ることもなく。 「おい、見ろよ、アレ。寺門が珍しくオンナ連れてんじゃねぇかよ」 「あ?おー。マジかよ。なに?アイツにも遂に春が来たって訳?」 「くくく、面白ぇから、ちょっとちょっかい掛けてみようぜ」 でも、物陰に隠れてそんな物騒な台詞を呟いている、その存在に…私以外の皆は気付いていたみたいだった。