せんぱいは、私の手首に視線を投げて苦々しく言葉を吐き出す。
「…けど。俺が、お前の傍に居ると…お前が傷付くって分かってんだけどな…」
それでも、どうしても捕まえていたいんだ…と、最後音にならないくらい小さな声でせんぱいはそう言った。
私は、そんなせんぱいにどう接して良いのか分からず…気付いたらぎゅうっと抱きついていた。
「み、ま…?」
「せんぱい…私せんぱいが好きです…なんて言ったらせんぱいの心を潤すことが出来るのか…それは分からないけど…でも…せんぱいが、好き…」
心に孤独を背負い、ずっと1人で過ごしていたせんぱいの全てが欲しかった。
ただ、1人…私の中でせんぱいが特別なことは、誰にも邪魔できないくらい強い想い。
他のどんな人と一緒に居ても、暴かれることのなかった…せんぱいの過去に触れることで、私は不謹慎かもしれないけれど、どこか優越感のようなものを感じていて…せんぱいを抱き締めたまま…せんぱいの耳元で自分の真っ直ぐな想いをぶつけた。
どこまでも恋い焦がれて止まない、この想いを全てせんぱいに染み込ませるように。



