――――――――――…★ それは、一年と少し前の事。 あたしが中学3年生だった時の、夏の夜。 この日、あたしの平凡だった毎日は、一瞬にして奪われた。 「明菜、早く用意しなさい!」 「分かってるってば!!」 お母さんが夕飯の準備をする中、あたしだけがお弁当を鞄に入れる。 受験と共にやってきた、反抗期真っ盛りの今。 さっきから大声で叱るお母さんに、いい加減うんざりして来る。