「ふぅ…」 教室の片隅、盛り上がる学園祭に似合わないため息が広がった。 「ちょっと明菜、ため息つかないでよ〜。幸せ逃げちゃうじゃん」 学園祭二日目。 化粧道具を広げるちいちゃんが、頬を膨らせ言った。 「はぁ……」 「ちょっと明菜!」 吠えるちいちゃん。 だけど、そう言われても、出てしまうんだから仕方ない。