「あ、そうだ…お礼してくれんじゃねぇの?」 「え…?あ、そうだった。」 でも、一応助けてもらったことになってるし。 お礼はした方が良いよね。 何気なく言った言葉。 でもそれは間違いだった。 「じゃあ、何かおごります!」 「は?」 「え?…あたし何か間違ったこと言った?」 本気でアタシがそう思った時、彼は笑った。 「そんな物いらねぇや。」 「へ?」 驚いて上を向いた。