「やべぇな」

「うん。やばい」

「おい、お前ら。人の顔見てヤバイ連発は……っ、」


「フォローありがとう永浜くん。でも笑いこらえてるのバレバレだよ」


翌朝教室で、顔を見るなり架里奈と航太くんから笑われた。

永浜くんにおいては、ぷるぷると震えている。


「ごめんごめん」

「うらら、怒んないで?」


いやまあ、怒ってないし。

さすがに自分でも笑うしかないと思ってますとも。ええ。


「でもさぁ。なにすればそんな顔になんのよ」

「泣き腫らしたんだろ」と、航太くん。


「言ってみ? なにがあったか」


架里奈から肩に手を回される。


「…………」


「聞かなくてもわかんじゃん」

眉をひそめ、航太くんは続けた。

「あいつのせいだろ」