一瞬の、出来事だった。 係員に呼ばれる前に兄がわたしの手を引き、わたしたち二人は、いちはやくゴンドラ乗り込んだ。 「うそっ……ズルい!」 続こうとする桜井さんを止めたのは 「待って。ここは兄妹水入らずでもいいんじゃない?」 ……架里奈だ。 そうしている間に兄とわたしを乗せたゴンドラは扉が閉められた。