Memorys ‐過ぎ去りし時間‐


 「ひゃぁっ!」

ひんやりとした感覚が熱を持った箇所を包み込む。

思わず変な声が出てしまい私は思わず手で口を覆った。

 「我慢してください」

手当てを終え、副会長にお礼を言えば短く返事をもらった。

 「そんな声出すんじゃねぇよ」

会長は私の頭を軽く叩きながら言う。

 「私だって、恥ずかしいですよ・・・忘れてください!」

 「せつな、だい、じょう、ぶ?」

 「無理なんてしちゃ駄目だよ一条さん」

 「「我慢しちゃ駄目だよ」」

 「すみません。お騒がせしました…」

 「”ありがとう”だろ?」

 「え?」

 「謝るんじゃなくて、感謝されたいな」

会長の言葉に補足するように瀬戸先輩がそう言う。


 「ありがとうございます。皆さん」

そう言えば彼らは微笑む。
何だかそれが可笑しくて私もつられて笑ってしまった。