光「なるほどな…」
ひと通り話し終わって気まずい空気が流れていたのを壊したのは光輝だった。
隼「噂になっていた雷龍の元姫というのはあなたのことだったんですね。」
「噂になってたんだ…」
隼「全国No.1の雷龍の元姫の噂なんてすぐにまわります。」
空「しっかし驚いたぁ。雷龍って正統派だと思っていたのに仲間の話も聞かないなんて」
光「一つ確認だ。」
光輝がさっきまでの元気いっぱいな明るい声じゃなく真剣な顔で声で問いかけてきた。
光「お前はほんとうに裏切ってないんだな?」
疑って当然だ。私が嘘をついている証拠なんてどこにもないのだから。
もしかしたら姫華が真実の姫なのかも知れない。
出会って数分でそんなこと判断出来るはずなんてないから。
でも。それでも。
「私はいじめてなていない。裏切ってないよ。」
光輝の目をみて強くはっきりそういった。
光「そっか。ならいいんだ!」
光輝の声は明るい声に戻っていた。
でも、私は納得いかなかった。
「どうして、私の今の言葉が嘘だと思わないの?」
信じてほしいとか思ってくるくせに矛盾してるけど。
これを確かめずにはいられなかった。
光「お前の目だよ。」
「目…?」
光「お前の目は闇に染まってる。染まってるけど助けてほしいって目をしてる。嘘をつくやつはそんな目はしない」
驚いた…。闇に染まっていることに気づいたことに?
ううん。ちがう。
私が助けてほしいって目をしてたことにだ。
「私は助けてほしいなんておもってない!」
自分の問題は自分で解決しなきゃ。
さっき琉偉にあれだけ言われたのに私も強情だなって思う。
光「ほんとうにそう思ってるのか?信じていた奴らに裏切られてつらいって苦しいって思わなかったのか?」
「それは思ったけど…」
光「お前はその苦しみから抜け出したいって思わないのか?」
そんなの決まってる。
思うに決まってる。
「だけど!そんなのあなたたちには全然関係ないじゃない!」
琉「関係ないなんていうなよ!!」
突然琉偉が叫んでびっくりした。
琉「やっと会えたんだよ?たった1人の家族なのに関係ないなんていうなよ!!」
琉偉…。ごめんね。こんなお姉ちゃんで。
「ごめん…。私…」
光「琉偉の家族なら俺たちの家族だ。だから頼れよ」
光輝に優しい声で言われて涙が溢れてきた。