ようやく収まったのか、深呼吸をしているのが聞こえる。

栗山は、咳ばらいを一つすると。



「別に、好きな時にどうぞ」



なんてことでしょう。

いつの間に栗山くんは、こんなにもプレイボーイになったんだ。

不意打ちの言葉に、顔が熱くなった。

すると、栗山くんは、また飛んだ発言をする。



「あのー。ちなみに明日の夜とか、ご予定は?」



栗山くんは、少し控えめな声を出した。

これは、まさかお誘い…?

再会して、すぐ会おうだなんて、あまりにも話が出来すぎていないか?

そもそも彼女とか―

そうだ、彼女は?

正直、中学時代の彼女と続いているとは思えない。

今「明日の夜の予定」を尋ねられているこのタイミングで聞くのは、大分可笑しいだろう。

決心した。