きみの好きなところを数えたら朝になった。



ベッドを背もたれにして寄りかかる西崎の背中は思ったよりも大きかった。そしてまた私のシャンプーを使ったらしく髪の毛からは同じ匂いがする。

なんでも分かり合えていた昔と違って、今はお互いに知らないことのほうが多い。


「ねえ、アンタの好きな色って青?」

「うん」

「じゃあ、好きな食べ物はカレー?」

「うん」

「猫アレルギー治った?」

「いや、それは治らねーだろ。つか急にどうした」

別に意味なんてない。ただ暇だから聞いてみただけ。


「ってか西崎ってさ、中学の時いがぐりみたな頭だったよね」

「お前さあ、俺にボクシング見させない気だろ?」

そんなつもりはない。西崎は西崎でテレビに集中してればいいだけであって私は私で勝手に話してるだけ。


「なんだっけ。あの野球部の声出しランニングのやつ。いーちわっしょーい、にーいわっしょーいってやつ。くそダサかったよね」

「くそを付けるな。そしてそのランニングは今も可愛い後輩たちが引き継いでる」

「はは、ウケる」

そういえば野球バカだった西崎は放課後練習のあとはいつも真っ黒になってたな。 田舎丸出しだった坊主がよくここまで成長したなって思うよ。